メモランダム@法律学・パソコン・カメラ

法律学(司法試験)関係の話題のほか,趣味のパソコン,写真関係の記事を掲載します。基本的に自分用メモですが,何かの役に立つ情報もあるかもしれないので,公開します。ただし,内容の真実性については保障できませんので,ご了承ください。誤り等のご指摘も歓迎します(コメントに書き込む等してください。)。

H28(2016)年司法試験結果報告・成績通知

随分とご無沙汰してしまいました。

そして,もはや報告の機を逸した感がありますが,先日発表の司法試験は無事合格でした!
成績通知も今回は金曜に届いたので,今後の受験生の方の何かの参考になればと,併せて掲載します。
感想戦はおいおい。







H28(2016)年司法試験・再現答案構成【民事系第2問(商法)】

目次(準備中)
公法系  1 ・ 2
民事系   ・  ・ 3
刑事系  1 ・ 2
選 択  労働法

おことわり
・当たり前ですがネタバレですので,見たくない方は見ないでください(ただし,これも当然ですが正解が書いてあるという意味のネタバレではありません)
・おおよその構成の再現であって,答案そのものの再現ではありません(再現答案の作成,公開は未定です)
・構成メモはあまり書かないので,見出しの表現等さえ必ずしも答案に記載した通りではありません
・ご指摘,ご質問も歓迎しますのでコメント欄にお願いします
・条文番号はwindows環境のローマ数字,丸数字で表記していますので,Macの方はご容赦ください
・※印部分は試験後に気付いた点等の注釈です





               *          *          *






民事系第2問(商法)

第1 設問1(1)
 1 はじめに
・取締役会決議の効力:違法あれば原則無効,軽微な瑕疵で決議に影響しなければ例外的に有効
 2 検討
  (1)目的
・問題点:招集通知に目的の記載なし,目的にない議案の決議の可否
・目的の定め,目的の拘束力:不要=目的に関係なく提案,議決可 ∵文理(303Ⅱ,304本),情勢に即応した機動的意思決定の必要性
・招集通知への目的の記載:不要 ∵文理(298Ⅰ②反対),経営のプロたる経営者は機動的な判断が云々
∴違法事由なし
  (2)招集通知漏れ
・Bは取締役として招集可(366Ⅰ本)
→問題点:Aへの招集通知(368Ⅰ)漏れ,そもそも通知の必要性(特別利害関係との関係)
・特別利害関係取締役(369Ⅱ):忠実義務(355)履行が類型的に期待できない個人的ないし会社外の利害関係ある取締役
→当てはめ:代表取締役解職決議での代表取締役は該当 ∵類型的に会社の将来を無視し保身に走る危険
・特別利害関係取締役の参加:議決権行使のみ不可,審議参加は可
・特別利害関係取締役への招集通知:必要 ∵審議参加可,そもそも目的にない事項の審議議決可
・例外的に有効とする余地:なし ∵悪意があり軽微といえない,審議に参加すれば議事次第で結論覆った可能性
 3 まとめ
∴決議は無効

第2 設問1(2)
 1 はじめに
・委任契約に基づく報酬月額請求の可否
 2 検討
・取締役の報酬請求権:委任契約に基づく(330,民643)
→請求可能な報酬月額:委任契約の解釈による
・取締役の報酬契約:法定の手続が前提
 ※その場ではこの間をうまくつなげた気がするが,どうつなげたか記憶なし
・総会決議で最高限度額のみの定め+役会決議への委任:可 ∵総会留保(361Ⅰ①)はお手盛り防止,総額定めれば株主との関係ではお手盛り防止達成
→総会決議+取締役会決議を受けて報酬契約成立
・役職に応じて報酬支払う運用=Aも認識していたとみられるので役職ごとに変わる内容の契約成立
∴代表解職で50万円にするのは契約上可,20万円は契約違反
 3 まとめ
∴月額50万円請求可

第3 設問2(1)
 1 はじめに
・「解任によって生じた損害」=得べかりし報酬の請求(339Ⅱ)
→解任の「正当な理由」の問題
 2 検討
・「正当な理由」:善管注意義務違反に至らない経営責任含む
 ※実際はもう少し絞った(重大な結果とかそんな感じ)気がするが,正確な表現は記憶なし
∵損害賠償(423Ⅰ)と異なり得べかりし報酬失うにとどまる,株主に能力低い経営者解任を認めるべき
→当てはめ:大きな損害=結果責任負うべき
 3 まとめ
・損害賠償請求不可

第4 設問2(2)
 1 はじめに
・解任の訴え(854Ⅰ):訴訟要件,認容要件を説明,役員も被告とする(855)
・解任請求権を被保全権利とする仮処分の申立て(民保23Ⅱ)
 ※実際には職務停止の仮処分とかいうのがあるみたいだが,そもそも仮処分書くべきか,できるのか不安だったので特定せず
 ※問題よく読むと「訴え」ってあるじゃんか,仮処分いらなかったのかなあ,でも訴えの「際」の手続には入るんじゃないかなあ(泣)
 2 検討
  (1)法令違反の重大事実
・本件のAの行為:業務上横領(刑253)ないし特別背任(960Ⅰ③)に該当する重大事実
 ※「重大」はよく分からなかったので雰囲気でごまかす
  (2)「否決」の有無
・「否決」要求の趣旨:まずは株主の自主的決定に委ねるだけの趣旨
→「否決」が議決されたに限らず総会が開かれたのに「可決」されなかったとき含む
・当てはめ:流会=可決なし
∴「否決」該当=訴訟要件満たす
 3 まとめ
∴解任の訴え認容

第5 設問3
 1 はじめに
・任務懈怠責任(423Ⅰ)としての損害賠償責任の有無
→取締役の善管注意義務(330,民644),忠実義務(355)違反の有無,故意過失,因果関係
 2 検討
  (1)本件通報まで
・大会社(2⑥イ)の甲は内部統制システム(362Ⅴ,同Ⅳ⑥)の構築義務あり
→本件では内部統制システムが構築,運用=任務懈怠なし ∵信頼可
  (2)Dについて
・任務懈怠+故意過失:法令順守担当役員として部門に指示すべきだったのに,軽率にEを盲進し何らの指示も取らなかった点
・因果関係:3000万円についてのみ存在 ∵4月中旬に把握可=月末の3000万円支払いのみ停止可
  (3)Cについて
・任務懈怠+故意過失:なし ∵Dも含めて監視すべきだが具体的に不審点なく信頼可
 3 まとめ
∴Dのみ3000万円の賠償責任,Cは責任なし

以上



H28(2016)年司法試験・再現答案構成【民事系第1問(民法)】

目次(準備中)
公法系  1 ・ 2
民事系   ・  ・ 3
刑事系  1 ・ 2
選 択  労働法

おことわり
・当たり前ですがネタバレですので,見たくない方は見ないでください(ただし,これも当然ですが正解が書いてあるという意味のネタバレではありません)
・おおよその構成の再現であって,答案そのものの再現ではありません(再現答案の作成,公開は未定です)
・構成メモはあまり書かないので,見出しの表現等さえ必ずしも答案に記載した通りではありません
・ご指摘,ご質問も歓迎しますのでコメント欄にお願いします
・条文番号はwindows環境のローマ数字,丸数字で表記していますので,Macの方はご容赦ください
・※印部分は試験後に気付いた点等の注釈です





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民事系第1問(民法)

第1 設問1(1)
 1 はじめに
・売買契約に基づく所有権移転登記請求
→AE間売買がCに効果帰属するか,これを相続人のADに主張できるか
 2 検討
  (1)契約の効果
・Aは未成年者Cの親権者として甲土地売買の代理権あり(824本)
・代理権濫用の場合の処理:心裡留保類推(93但) ∵経済的効果を帰属させない点で効果意思ないときに類似
・親権者の行為の濫用該当性:子の利益を全く無視し専ら親の利益のため ∵親権者に広範な裁量
→当てはめ:遊興費の借金返済目的,Cは独立済で生活費不要
 ※公租公課の負担は濫用否定方向に働くのか迷った揚げ句,書かなかった
∴濫用該当=悪意重過失の相手方には無効
→当てはめ:Eは悪意
∴Cには売買契約の効果帰属なし
  (2)対D
・上記より請求不可
  (3)対A
・信義則(1Ⅱ)上拒絶不可 ∵無権代理人の相続と同様
 3 まとめ
・結論:Dには請求不可,Aにその持分の限度で請求可

第2 設問1(2)
 1 はじめに
・所有権(共有持分権)に基づく返還請求としての建物収去土地明渡請求
 2 検討
  (1)所有権の帰属
・原則論:上記同様,CE間では売買無効=所有権は相続人ADが半分ずつ共有(898)
 ※本当は配偶者と直系尊属だから1:2(悲)
→Fの主張:権利外観法理(94Ⅱ類推)でFが所有権取得
・~3/5:Cは外観作出,放置のに帰責性なし ∵未成年,知らなかった,放置の期間も長くない
 ※成年擬制をスルーしてしまった,あとそもそも未成年だと帰責性はどう働くのだろうか
・3/6~3/30:Aは当然帰責性あるが,Dは帰責性なし ∵再三問い合わせも奏功せず
∴Aの持分の限度で権利外観法理でFに所有権移転
∴現状:FDが半分ずつ共有 ※本当は1:2(悲悲悲)
  (2)請求の内容・可否
・共有者から他の共有者への請求:持分に反する登記は可,明渡しは当然には請求できない ∵持分に応じた使用収益権限
 3 まとめ
・Dは自己の持分の限度で乙土地の登記請求のみ可

第3 設問2(1)
 1 はじめに
・譲受債権請求の可否
 2 検討
・問題点:譲受債権自体の存否
・賭博目的が双方に認識されている金銭消費貸借契約:公序良俗違反で無効(90)
・異義なき承諾(468Ⅰ前)との関係:抗弁を待たずに適用される公的制度なので抗弁切断と無関係
 3 まとめ
∴請求不可

第4 設問2(2)
 1 はじめに
・悪意の受益者に対する不当利得返還請求(704)
 2 検討
・金銭給付があり,契約が無効=不当利得返還請求権成立
・不法原因給付(708)との関係:善意の債権譲受人との間では受益者のみに不法原因ありとみなす
∵受益者に利益を留保する趣旨でない,債権譲受で給付者に回収の途を与えるべきでないが何も知らない譲受人は保護すべき
・当てはめ:Mは善意の譲受人=保護されるべき
 ※受益者の悪意の当てはめをちゃんとしたか記憶がない
 3 まとめ
∴全額請求可

第5 設問2(3)
 1 はじめに
・委託保証人の求償権(459Ⅰ)の行使として584万円全体(459Ⅱ,442Ⅱ)を請求できないか
 2 検討
・問題点:求償権の要件たる「弁済」があったといえるか
・債権の準占有者に対する弁済(478)類推 ∵外観法理,真正な権利者であるとの信頼≒権利が真に存在するとの信頼
→当てはめ:要件検討,充足
 3 まとめ
∴584万円全て請求可

以上




短答式自己採点結果

本試験がようやく終わりました。
本当にしんどかった……。

試験後はローの同級生らと浴びるように酒を飲み,日付が変わる間際くらいに帰宅。
しかし早起きの習慣が付いてしまったからか,なんと翌朝6時には目が覚める(いや,年のせいかもしれない)。
きょうはそのまま燃え尽き症候群状態でした。



さて,自己採点結果(暫定・辰已での入力結果)ですが──

憲法 41点(82%)
民法 49点(65%)
刑法 43点(86%)

合計 133点(76%)



合計点は去年の正規の結果と全く同じ点数。
なんと進歩のない自分orz

民法が完全にやらかしてますね,去年より10点以上下がってる。
択一の勉強は結構したつもりだったのだが。。。

まだ間違いの内容はもちろん,入力ミスの有無も精査していないので,なんともいえませんが,
ざっと見たところ最後の2つまで絞ったものをことごとく外している感じ(多くの人がそうだと思うが)。
もっとも主観的には,結構自信があって選んでいるものが多かったので,より重傷といえるかもしれません。

正直昨日時点では,8割軽く超えたと思っていたので,かなりショック。
点数の数値もだが,ミスの自覚がなかったことが。

足切りは大丈夫だろうけど,論文に向けてのアドバンテージにはならないですね…。

論文等の話はおいおい。


素直に読めば憲法14条1項後段は私人間効力を定めている

日本国憲法
第十四条
 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 3 略

文理解釈としては,

○1項
法適用及び法内容の平等

○2項
政治的,経済的,社会的関係において,列挙事由による差別の禁止
→列挙事由に基づく差別を経済的社会的関係,すなわち私人間でも禁止(あるいは国に保護義務を課す)

と読むのが自然なんじゃないかなあ。

後段列挙事由は,文法的にいって「法の下の平等」の修飾語ではないから,「法の下の平等」と後段列挙事由は結びつきはない。
せいぜい,法の下の平等がある「から」後段列挙事由の差別もされない,と捉えられなくもない,という程度だろう。

「法」の話をしている「法の下の平等」の話で,なぜ後段列挙事由特別意味説だとかが出てくるのか。
教科書やらコンメンタールやらをあさっても,後段列挙事由が「法の下の平等」の話であることは当然視されている。
少なくとも文理解釈の上では,まったく理解に苦しむ。うーむ。



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自己紹介
アラサー男性。東京都在住。国立大卒,私立大LS修了。2014(H26)年司法試験予備試験最終合格,2015(H27)年司法試験不合格(総合1800番台)。2016(H28)年司法試験合格(総合100番台)。大学時代から塾講師のアルバイトを継続。趣味特技はカメラ,パソコン関係(特にDTPなど),酒。
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